問150 部分意匠の導入の理由。 答150 独創的で特徴ある部分を取り入れつつ意匠全体では侵害を避ける巧妙な模倣が増加し,十分にその投資を保護することができなかったため。 問151 2条柱カッコ書で,部分意匠に組物が入っていない理由。 答151 「組物の意匠」の保護の価値はその全体の組合せが有する美感にあるため。 問152 部分意匠として認められるための要件(3つ)。 答152 o 部分意匠の意匠に係る物品は,意匠法の対象とする物品と認められること。 o 当該物品全体の形態の中で一定の範囲を占める部分であること。 o 当該物品において,他の意匠と対比する際に対比の対象となり得る部分であること。 問153 平18年改正により画面デザインが保護の対象とされた理由。 答153 画面デザインについては,当該物品に期待される目的を実現するために必須であるものであっても保護されず,画面デザインを当該物品の一部として創作し,その創作に投資をしている企業による製品開発の実情と合致しなかったため。 問154 上記改正により保護されることになった意匠の具体例(2つ)。 答154 o 「物品がその本来的な機能を発揮できる状態にする際に必要とされる操作に使用される画面デザイン」例えば,携帯電話の通話者選択画面。 o 「同時に使用される別の物品の録画予約操作デザイン」例えば,DVD再生録画機の録画予約操作用画像デザイン。 問155 公然実施がない理由。 答155 回答意匠は外観で判断するため,意匠が公然実施されればすべて公知になるから。 問156 「類似」であるための要件(2つ)。 答156 o 意匠に係る物品の用途及び機能が同一又は類似であること。 o 意匠に係る物品の形態が同一又は類似であること。 問157 具体的な意匠の類似判断 答157 意匠に係る物品及び形態についての共通点及び差異点を総合的に観察して,それらが両意匠の類否の判断に与える影響を評価することにより行う。なお,それらの共通点及び差異点が意匠の類否判断に与える影響は,個別の意匠ごとに変化するものであるが,一般的には, o 見えやすい部分は,相対的に影響が大きい。 o ありふれた形態の部分は,相対的に影響が小さい。 o 大きさの違いは,当該意匠の属する分野において常識的な範囲内のものであれば,ほとんど影響を与えない。 o 材質の違いは,外観上の特徴として表れなければ,ほとんど影響を与えない。 o 色彩のみの違いは,形状又は模様の差異に比して,ほとんど影響を与えない。 問158 部分意匠における類否の要件(4つ)。 答158 o 部分意匠の意匠に係る物品の用途及び機能が,同一又は類似であること。 o 意匠登録を受けようとする部分の用途及び機能が,同一又は類似であること, o 意匠登録を受けようとする部分の形態が,同一又はし以であること。 o 意匠登録を受けようとする部分の当該物品全体の形態の中での位置.大きさ,範囲が,同一又は当該意匠の属する分野においてありふれた範醤内のものであること。 問159 容易に創作をすることができた意匠とはどのような意匠か(6つ). 答159 o 置換の意匠 o 寄せ集めの意匠 o 配置の変更による意匠 o 構成比率の変更又は連続する単位の数の増減による意匠 o 公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合をほとんどそのまま表したにすぎない意匠 o 商慣行上の転用による意匠 問160 3条の2の導入の理由(3つ)。 答160 先願として本意匠が出願された後,その先願の意匠が意匠公報に掲載される前にその完成品を構成する部品の意匠が出願された場合, o 新しい意匠を創作したものとすることはできないため。 o 権利関係の錯綜を招来しているため。 o 部分意匠制度の導入,組物として登録される対象が拡大されたことによりこのようなケースが増大するため。 問161 出願人が同一であれば,3条の2は適用されないこととした理由。 答161 デザイン開発上,製品全体のデザインが創作された時点では部品の詳細なデザインが決定していない場合など,部品や部分意匠の出願が間に合わず,意匠権を取得できない場合が生じるため。 問162 「行為に起因する」とは。 答162 試験,学術発表に限らず,販売,展示等を含む。 問163 特許法と比較して4条2項が著しく広い理由。 答163 発明は一度公開されると社会の技術水準の一部となり,その上に技術が積み重ねられていくものであり,この公開された発明に後から特許を与えることは,技術活動を阻害することになるため広く例外を認めることは許されない。しかし,意匠の場合にはそのような障害は考えられないから。 問164 新規性喪失の例外の適用に係る証明書の提出期限を30日とした理由。 答164 企業の製品開発の活性化に伴い,出願前に自ら意匠を公開する場合が増加しているが,公開事実について第三者からの証明を取得することに時間を要することから,証明書類の準備期間が不十分であったため。 問165 5条3号の導入の理由。 答165 物品の機能を確保するため不可欠な形状のみからなる意匠に意匠権が付与されると,第三者がその機能を有する物品を実施する場合,この意匠権の侵害になってしまい,経済活動を不当に制限しかえって産業の発達を阻害するため。 問166 「物品の機能を確保するために不可欠な形状のみ」とは(2つ)。 答166 o 物品の技術的機能を確保するために必然的に定まる形状。 o 物品の互換性確保等のために標準化された規格により定まる形状(形状に基づく機能の発揮が主たる使用の目的となる物品である場合に限る)。 問167 「形状のみ」とは。 答167 物品の技術的機能はもっぱら形状によって体現されることから,その形状のみに着目し意匠の構成要素である模様,色彩の有無を問わないこと。この点「不可欠な立体的形状と識別力を有する文字,図形等が結合している商標」については保護の余地を残す商標法4条1項18号の趣旨とは相違する。 問168 動的意匠の導入の理由。 答168 形状の異なる状態ごとに意匠登録をうけるために出願するのでは煩わしさにたえないので,動く意匠について一出願で完全な権利が取れるようにするため。 問169 組物意匠の要件を緩和した導入の理由。 答169 近年の製品開発の多様化,高度化に伴い,特定目的のために供される複数の物品群について,それらの自由な組合せを可能としつつ全体的に統一感をもたせるように個々の物品のデザインを行ういわゆる「システムデザイン」や「セットもののデザイン」がデザイン創作活動の実態として見られるようになってきたため。 問169 組物の意匠と認められる要件(3つ)。 答169 o 願書の「意匠に係る物品」の欄に記載されたものが経済産業省令で定めるものであること。 o 物品が適当であること。 o 組物全体として統一があること。 問170 組物全体として統一があると認められるものの類型(3つ)。 答170 o 構成物品の形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合が,同じような造形処理で表されていることによって,組物全体として統一があると認められる場合。 o 構成物品が全体として1つのまとまった形状又は模様を表すことによって組物全体として統一があると認められる場合。 o 各構成物品の形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合によって,物語性など観念的に関連がある印象を与えることにより組物全体として統一があると認められる場合。 問171 関連意匠の導入の理由。 答171 デザイン開発の過程で,一のデザインコンセプトから創作されたバリエーションの意匠については,同等の価値を有するものとして保護し,各々の意匠について権利行使することを可能とするため。 問172 本意匠の公報発行の日前までであれば,関連意匠の意匠登録を受けることができることとした理由(2つ)。 答172 o 企業における商品開発は,製品投人後に追加的にデザイン・バリエーションを開発するなど多様化しつつあるため。 o 従来法は,市場投入が予想される全てのデザイン・バリエーションについての図面や資料等を当初出願時に準備しなければならず,柔軟な出願方法に対応できなかったため。 問173 関連意匠にのみ類似する意匠が認められない理由。 答173 類似の無限連鎖を回避するため。 問174 秘密意匠の導入の理由(3つ)。 答174 意匠を創作したが,その実施化にとりかからない場合には,まず先願を確保しておく必要があるため。 o 出願した意匠について意匠登録を受け意匠公報に掲載されると,その出願をした業者の将来の意匠の傾向を他の業者に知られ,またその意匠を基としてそれを転用したような意匠を作りだされるおそれがあるため。 o 技術の上に技術を積み重ねるという構成をとる特許法においては,独占権の対象を秘密にしておくことは許されないが,意匠法は美的観点からその目的を達成しようとするものであるため。 問175 第1年分の登録料の納付と同時に秘密意匠の請求することができることとした理由。 答175 審査が早く終了したため,商品化の前にもかかわらず,意匠公報の発行によって登録意匠が公開され,商品の広告・販売戦略等に支障が出る場合が生じているため。 問176 補正却下を存在させる理由(2つ)。 答176 o 意匠法においては,特許法のような広範な補正が認められておらず,権利付与の遅延が生じていなかったため。 o 補正がなされた場合,要旨変更か否かの解釈が入り込む余地が少なく審査の遅延に与える影響が少ないため。 問177 「要旨」とは。 答177 当業者の通常の知識に基づいて,願書の記載及び願書に添付した図面等から直接的に導き出される具体的な意匠の内容。 問178 要旨を変更するものとなる補正の類型(2つ)。 答178 o その意匠の属する分野における通常の知識に基づいて当然に導き出すことができる同一の範囲を超えて変更するものと認められる場合。 o 出願当初不明であった意匠の要旨を明確なものとする場合。 問179 要旨を変更するものとはならない補正の類型(2つ)。 答179 o その意匠の属する分野における通常の知識に基づいて当然に導き出すことができる同一の範囲のものに訂正する場合。 o 意匠の要旨の認定に影響を及ぼさない程度の微細な部分の記載不備を不備のない記載に訂疋する場合。 問180 存続期間を意匠登録の日から20年とした理由(2つ)。 答180 o 優れたデザインのロングライフ商品や,リバイバル・ブームによって再度商品化されるものなど,魅力あるデザインは長期間にわたり付加価値の源泉となっているため。 o 意匠権の存続期間満了後に当該製品を模倣する事実が存在するため。 問181 関連意匠の存続期間が本意匠の存続期間満了にともない消滅する理由。 答181 権利の重複部分に関して権利の実質的な延長が生じないようにするため。 問182 関連意匠と本意匠とを分けて移転できない理由。 答182 本意匠とその関連意匠の意匠権の重複部分について二以上の者に排他権が成立することになり,同一意匠権者のもとでのみ権利の重複を認める関連意匠制度の制度趣旨に反するから。 問183 本意匠が消滅しても関連意匠を分離移転できない理由。 答183 一度設定された権利関係の安定を図るため。 問184 類似判断は,需要者の視覚に基づいて行うものとした理由。 答184 最高裁判例において,一般需要者の視点から見た美感の類否を判断するものとされているため,需要者の視覚による美感に基づいて行うことを明確にし,統一性をもった類否判断を可能とするため。 問186 利用の具体例。 答186 他人がハンドルの意匠について意匠権を有する場合において,そのハンドルを用いた自転車の意匠について意匠登録を受けたような場合。 問187 意匠権と特許権が抵触する場合。 答187 答ニある物品の形状が技術的効果もあり同時に美的でもあるという場合に,技術的効果の面について特許権あるいは実用新案権が,美的な面について意匠権が,それぞれ設定されているとき。 問188 意匠権と商標権が抵触する場合。 答188 ある物品の形状や模様が意匠でもあり商標でもある場合。 問189 意匠権と著作権が抵触する場合。 答189 著作権の対象である彫刻を置物のようにある物品の形状として用いた場合。 問190 「利用」とは。 答190 他人の登録意匠等の内容を,その本質的特徴を損なうことなく,自己の意匠の中にそっくり取り込むこと。 問191 「抵触」とは。 答191 1つの権利と他の権利とが両立しないこと。すなわち,1つの権利内容と他の権利の内容が全部又は一部において重なり合うこと。 問192 同一の者に同時に本意匠に係る全ての関連意匠について専用実施権を設定しなければならない理由。 答192 専用実施権の重複部分について二以上の排他権が成立することになり,関連意匠制度の制度趣旨に反するため。 問193 29条の2の導入の理由。 答193 拒絶確定出願を先後願の判断において先願として取り扱わないこととしたため,拒絶確定出願に類似する後願に係る意匠登録出願であっても,登録要件を具備する意匠について意匠登録されることから,先使用権が認められないときには,後願意匠の登録により先願の拒絶確定出願の意匠の実施が後発的に制限され,その実施者は不足の損害を被るおそれが生じるため。 問194 秘密意匠を実施している者に対して警告が必要な理由。 答194 いきなり差止め請求を行うことができるとしたのでは苛酷なため。 問195 秘密意匠の場合,過失の推定規定が適用されない理由。 答195 秘密意匠は意匠権が発生してもただちにその内容が公告されない関係上,その間に意匠権を侵害した者に過失があったと推定するのは酷であるため。 問196 10条1項が無効理由にならない理由。 答196 意匠登録された後に本意匠と関連意匠が類似していないという理由で意匠登録を無効とするのは意匠権者にとって酷であるから。 問197