問127 考案が物品の形状等に限定されている理由。

答127 永年の運用により実用新案の観念が一般に形成されているので,その事実を尊重し,みだりに実用新案権の対象である考案の範囲を拡げることを避けるため。

問128 実用新案法の存在意義。


答128 発明の水準を高く維持しながら同時に創作意欲の減退を防ぐため,特許制度とは別の制度により,比較的程度の低い発明を保護するため。

問129 「物品」であるための要件。

答129 少なくとも一定の形態を有すること。


問130 「物品の形状」,「物品の構造」「物品の組合せ」とは。

答130
o 「物品の形状」:外部から観察できる物品の外形。
o 「物品の構造」:部材又は要素の有機的な連結,結合。
o 「物品の組合せ」:相違なる物品の集合で,勘合的又は密接不可分になり1つの目的を達成するもの。同種の物品の集合で,一体となり1つの目的を達するもの。

問131 基礎的要件違反を拒絶理由とせず補正理由とした理由(2つ)。

答131
o 新規性,進歩性といった登録性の判断に比べ裁量が働く余地は少なく,基礎的要件は,方式審査に準ずるものと考えられるため。
o 審査官による拒絶理由を通知した場合には,通常の方式審査の不備に対しては特許庁長官による補正命令,基礎的要件の不備に対しては審査官による拒絶理由通知とすると1つの出願に対して特許庁からの命令又は通知が別々に行われ,手続が複雑化,錯綜するため。

問132 再度の実用新案登録出願への変更を認めない理由(2つ)。

答132
o 変更を認めると補正・分割を行うことができ,制度導入の趣旨に合致するものではないため。
o 出願人はいったん取得した実用新案権を放棄してまで特許権の保護を選択したのだから,同一の内容で再度の実用新案権の取得を認める必要はないため。

問133 実用新案技術評価制度を導入した理由。

答133 権利の有効性を巡る判断には,技術性,専門性が要求され,当事者間の判断が困難な場合も想定されるため,当事者間に権利の有効性に関する客観的な判断材料を提示することが望ましいから。

問134 特許出願への変更出願(46条の2第1項)のあとは実用新案技術評価を請求できない理由(3つ)。

答134
o 出願人の意思として実用新案権の保護を断念し特許権を選択したといえるため。
o 過去の侵害に対しては実用新案権を維持することで対応すべきであるため。
o 二重の審査を防止するため。


問135 明細書の実用新案公報への掲載を要部掲載から全文掲載にした理由。

答135 明細書の考案の詳細な説明に対する訂正が行われるようになることから,明細書の考案の詳細な説明における訂正の個所を判断することができるようにするため。

問136 請求の範囲の減縮を目的とした訂正の回数を制限した理由。

答136 早期登録制度であるため,このような訂正を無制限に許容することは第三者の監視負担の著しい増大を招くため。

問137 請求の範囲の減縮等を目的とする訂正を認める理由(3つ)。

答137
o 請求項の削除を目的とする訂正のみでは第三者からの攻撃に対して防御する余地がないため。
o 早期登録制度下においては補正の機会がほとんどなく権利者に酷であるため。
o 訂正の許容範囲を拡大すべきとの要請,特に評価書を取得した後および無効審判時に実質的な訂正をできるようにすべきとの要請があるため。

問138 訂正した明細書等についても基礎的要件を満たすことが必要な理由(2つ)。

答138 
o 基礎的要件(6条の2)を満たしていることが登録の要件となっているため。
o 訂正を経て単一性を満たさない複数の考案が記載される場合,出願人の不公平,評価書の作成負担が数倍になる可能性あるから。

問139 実用新案権の存続期間を延長した理由(4つ)。

答139
o 存続期間が短いと訴訟係属中に権利が消滅してしまい,差止請求権を実質的に利用できないため。
o 平均の製品のライフサイクルは約8年であり,実用新案権の存続期間が製品ライフサイクルよりも短いため。
o 諸外国では存続期間を出願から10年としている国が多いため。
o アンケート結果では存続期間を10年にすべきとの意見が多数であったため。

問140 権利行使時に実用新案権を提示することを義務づけた理由。

答140 実体的要件についての審査を経ずに付与される権利とされたことから,権利の濫用を防止するとともに第三者に不測の不利益を与えることを回避するため。これにより権利者による権利行使が適切かつ慎重なものとなるため,瑕疵ある権利の濫用を防止することが可能となる。

問141 実用新案技術評価書を提示せずに行った権利行使の取扱い。

答141 侵害訴訟を提起しても,直ちに請求が却下されるわけではないが,評価書が提示されない状態のままでは,権利者の差止請求,損害賠償等は容認されないものと解される。

問142 権利行使時に高度な注意義務を課す理由。

答142 実用新案権が実体的要件についての審査を行うことなく付与されることとなったため,権利者は瑕疵ある権利を濫用することのないよう,より慎重な判断の下に権利を行使することが求められるため。すなわち,より高度な注意義務を有することとしたため。

問143 権利者が免責されるための要件。

答143 相当の注意をもって権利を行使したことを立証することが必要。権利者は実用新案技術評価書の請求,自己調査,鑑定等により自らの権利の有効性を確保する必要性がある。

問144 権利者が免責されるための具体例。

答144 評価書における評価に基づき権利を行使した後に,評価書の調査の範囲内において新たな証拠が示され,権利が無効とされたような場合,当該証拠が示される以前の行為については,原則として過失は問われない。しかし,権利者が当該無効原因となった公知文献をそれ以前から知っていた等の特段の事情がある場合については,たとえ評価書の評価が登録性を否定するものでもなく,そのような評価に基づく権利行使であっても,権利者は免責されない。

問145 「損害を賠償する責めに任ずる」とした理由。

答145 無効な権利に基づく訴訟の提起が違法であることを明確にする必要がある
ため。

問146 実用新案登録に基づく特許出願制度の導入の理由(2つ)。

答146 従来の制度では,審査を経た安定性の高い権利を取得したい場合,長期の存続期間を確保したい場合など特許権の設定が必要となる場合には,実用新案登録出願ではなく特許出願を行わざるを得ず,
o 許制度と実用新案制度を並存させることの利点がいかされないため。
o これが実用新案登録出願件数の減少の一因であるとも考えられるため。 十             犬
問147 46条の2の変更出願をした場合に,その実用新案権を放棄しなければならないと
した理由。

答147 脊特許出願を基礎とした実用新案権が並存した場合,第三者の監視負担が増大し,かつ,二重の審査が行われる可能性があるため。

問148 実用新案技術評価請求にともなう出願変更の制限とその理由(2つ)。

答148
o 評価請求後は変更出願をすることができない理由:二重の審査を防止するため。
o 他人による評価請求があった場合には,その旨の最初の通知後30日,変更出願をすることができる理由:出願人等が自身で評価請求したものではないため,変更に基づく特許出願をすることができなくなることは酷である一方,出願人等が他人になりすまして評価請求する可能性は否定できないから。

問149 実用新案登録に対する無効審判請求があった場合の特許出願への変更について,一定の制限をともなうこととした理由(2つ)。
答149
o 審理を進めてきた請求人の負担が無に帰す可能性があるため。
o その特許権が設定された場合に,当該特許権について無効審判請求がなされると,同一の技術について,審理が二重に行われることになるため。

問150